設計職

メーカー設計職になるなら理解すべき設計・開発・解析・派遣の4つの業務を解説!

こんにちわ。ミニドラです。

かなり尖ったタイトルですが、実際本当に思ったことです。全然まともな解説がなくて、何でこんなに無いんだ・・・と思い作ることにしました。さて、解説を始めるにあたり、皆さんは設計職と聞いてどの「設計」を思い浮かべるでしょうか?

自動車設計?

建築設計?

図面を書くこと?

システム設計?

その人の経験や出会ってきた経験によって、認識が様々だと思います。今回は、広すぎる「設計職」の定義のを理解するために、設計・開発・解析・派遣の4つの業務を解説していきたいと思います。

なお、各メーカーによって、微妙に業務の所掌範囲が異なったり、言葉の定義がそもそも異なる場合がありますので、言葉のイメージとして理解してもらえればと思います。

メーカーでの設計フロー

概念設計

ニーズやシーズの調査をもとにメーカーとしてリリースするための製品仕様などを決定する設計プロセスです。具体的な形状や材質というよりは、ターゲットとなる形状や製品仕様を決めることが主業務です

基本設計

概念設計を行った結果を基に、具体的な形状や材質選定をおこないます。例えば、ここで、ネジ一本の長さを15mmにするか、16mmにするかなんてことは検討しません。使用環境を考え、サビ無いようにステンレスにするなど、ある程度ざっくりと・かつ明確な根拠で選定することが主業務です。(ステンレスがサビないのは分かり易さのための例えですので、材料屋さん怒らないでくださいね。)

詳細設計

基本設計で検討した形状や材質を基に、設計的に成立するかを検討します。そのために、設計的・生技的・製造的に図面を作成したり、設計計算をします。必要であれば、簡易的な解析をしたり、解析担当者に依頼をかけたりします。

試作評価

試作は、詳細設計で作図した図面を基に、部品表・組付表・BOMと言われる手配書類を作成し、調達または生産管理経由でサプライヤ(部品メーカー)に発注をかけます。評価は、試作品を組立て、性能評価や機能耐久などを行います。評価は、社内だけでなく客先に納入して評価してもらったりする場合もあります。

メーカーでの設計フロー

  • 概念設計→基本設計→詳細設計→試作評価

メーカーにおける職種と業務内容

メーカー設計職

客先設計・技術営業

筆者の仕事の60%は、この業務です。対企業が前提となりますが、客先から受領した仕様書を基に、設計仕様をより具体化するために、仕様設計・基本設計を行ったり、客先と打ち合わせを行うことがメイン業務となります。

技術営業をいう表現を使う企業もありますが、営業とは一線を画し業務は設計がメインとなります。この表現を使うと、「製造業の知識がある営業」と勘違いされますが、それはあくまでも「メーカー営業」であり、「営業知識がある設計」が「技術営業」である、と考えてください。

次に出てくる詳細設計に設計検討や図面を依頼し、部品表(BOM)を作成し、工場側での製作日程を調整します。

詳細設計

筆者の仕事の残り40%は、詳細設計です。客先設計が擦り合わせを行った仕様に基づいて、設計計算や図面化を行います。客先設計と打ち合わせを行いながら、客先要求を形状に反映させたり、成立しない場合には客先設計と同行して交渉します。

また、客先要求だけではなく、工場やサプライヤ(部品メーカー)と協議しながら製造性を図面に反映していきます。ここでちゃんと協議しないと、「やってみたらできませんでした。」と言われて納期直前でどうしようもない状態になります。

少し昔は「できないならやり直せ!納期通り持ってこい!」なんて精神論がまかり通っていましたが、今そのような言い方をすると、設計力が無いメーカーだから付き合いを辞めよう、またはコストを高くしようという判断を取られてしまいます。

グローバル化が進んでおり仕事はいくらでもあります。加えて、海外メーカーは規格や管理項目、指示が明確である傾向が強く、日本メーカーは指示が不明確な傾向にあります。海外メーカーに目移りしている優秀なサプライヤと付き合いを続けるためには、信頼関係を協議を通じて築いていく必要があります。

メーカー開発職

要素開発・部品開発

製品を構成する部品毎に開発が分かれている場合、部品毎に開発が分かれている場合があります。例えば、送風機、もっと簡単に言うと扇風機をつくろう!と思った際には、大きく分けると、扇風機の筐体・扇風機の羽根・モーター・リモコンを大きく4つにわけることができます。これら個々の要素に対して、開発を行うイメージです。

扇風機であれば、最悪1人で開発することも可能ですが、自動車・航空機・プラント等では高温材料や軸受材料などの開発は高度なものとなります。そうなると、要素開発が必要となるのです。

製品開発

要素開発が開発する部品を最終形状としての成立性を検討したり、最終形状での開発評価、そして開発リリース日程の管理まで行います。製品開発は、客先設計に提案できる開発品を渡受け渡すために、社内を中心にデザインレビューを行いながら、想定される客先仕様に対して、満足する開発を行います。

メーカー解析者(開発職)

連成解析

組み合せ解析を担当している部門で、流体と熱、熱と応力等の連成問題を取り扱います。詳細設計や要素設計からの依頼で、手計算や通常解析では難しい計算を担当し、設計検証を行います。また、客先での耐久評価いわゆる、設計技術力という観点での競争力を決める部門と言っても過言ではないです。

機構解析

振動問題や駆動系の解析を行う部署。具体的な業務は、設計したモデルのリンク機構が正しく動くことの確認や熱膨張込みで干渉しないかの確認などを行います。筆者の会社では、何人かリソースを割いているものの使い物にならないのが現状ですね・・・。

メーカー補助業務(派遣)

CADオペレーター

客先設計や詳細設計からの図面作成依頼を基に、CADで3Dモデリングを行い、2Dモデリングを行います。完全に1から作成する場合もあれば、流用モデルを基に作成する場合もあります。

3DCADは、SolidworksやInventor、CATIA等を使用します。CADの基本機能が使えればある程度仕事は問題なく、重要なのはコミュニケーションを円滑に回すことを求められます。職人気質で納期意識が無いオペレーターさんよりは、納期意識が強くサクッと定時で帰るくらいの方が意外と契約更新してもらいたいです。

エンジニアリング派遣

設計や評価の依頼書類作成や評価部門のフォローなどの、客先設計や詳細設計の補助業務がメイン業務となります。CADオペレーターよりも考える力を求められます。必要とあれば客先への説明まで求められる場合があります。優秀な派遣の方は、そのまま正社員として採用されるケースもあります。

解析オペレーター

要素開発や製品開発、解析部門等から解析ソフトを使用し、計算を回し結果の整理がメイン業務です。CADオペレーターとは異なり、より高度な技術ではありますが、解析業務は結果への正しい理解と責任が伴うため、CADオペレーターよりは需要が少ないのが現状です。

メーカーにおける職種と業務内容

  • メーカー設計職・・・客先設計・技術営業、詳細設計
  • メーカー開発職・・・要素開発・部品開発、製品開発
  • メーカー解析者・・・連成解析、機構解析
  • メーカー補助業務(派遣)・・・CADオペレーター、エンジニアリング派遣、解析オペレーター

まとめ

今回はメーカーの設計職とそれに関わる職種の解説をしました。メーカー設計職のイメージを明確にすることで、転職の際にギャップが生まれないようにしましょう。以下に本記事のまとめを書いておきます。

設計・開発・解析・派遣の4つの業務

メーカーでの設計フロー

  • 概念設計→基本設計→詳細設計→試作評価

メーカーにおける職種と業務内容

  • メーカー設計職・・・客先設計・技術営業、詳細設計
  • メーカー開発職・・・要素開発・部品開発、製品開発
  • メーカー解析者・・・連成解析、機構解析
  • メーカー補助業務(派遣)・・・CADオペレーター、エンジニアリング派遣、解析オペレーター
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