今回は、「いつも炎上する設計者にみる2つの特徴を紹介!当てはまるなら今すぐ直そう!」という内容。
ぶっちゃけ、期限を完璧に守れています?
「私は完璧に期限を守って仕事をしているぜ!」
と胸をはって言える人は、経験年数がある方かもしれませんが、ぶっちゃけ定型業務の対応しかしていない最前線から外れた方ですね。
かなり失礼な言い方をしてしまいましたが、新しい課題に直面した際には日程精度が極端に低下してしまいがちです。
新しい課題に直面した設計者の方は、「いつまでにデキそうか?」と言う客先の問いに対して、目の前にあるタスクを見える化しながら日程線引きをして、「2週間くらいですかねぇ・・・」なんて回答する事が日常だと思います。
実は、この最初の回答が炎上するかしないかの分岐点だったりするんですよね。
そして、いつも炎上している設計者はこの回答の精度とコミュニケーションがヘタクソです。
私の頭の中には2人くらい人物が頭に浮かんでいますが(笑)、大体この人たちの傾向は次のような傾向があります。
- 思いつきの日程が短納期
- わからないことがわからない
これら2つの特徴について解説していきます。
①思いつきの日程が短納期
1つ目は、客先の希望納期のプレッシャーに押しつぶされて、ついつい短納期で回答しちゃうパターン。
「2週間あればできるでしょ?」等と言われた時に、1週間が5日ではなく7日のように勘違いしてしまうことってないでしょうか。
もっと言うなら、1日を8時間ではなく12時間換算、ひどい人は16時間換算してしまったり。
フルリソースを割ける前提でしか日程を考えられていない人は期限が守れなくて、プロジェクトが炎上しています。
もちろん、そんな人は期限を守りません。
その人たちは、私が今の会社に入ってから約5年間同じ職場で一緒ですが、いまだに炎上していますね。
一種の炎上癖みたいなのがついていて、炎上するまでは適当に回答して、炎上してから対応するような仕事の仕方をしています。
ぶっちゃけ、一緒に仕事するとめちゃくちゃムカつくわけですが、はたから見てる分には「またやってるなぁ」くらいにしか思いません。
少し話が逸れましたが、ここでお伝えしたいのは日程回答が必須な状況で、精度がない場合には、フルリソースで業務が進められない前提で考えたほうがいいと言うこと。
具体的な話をすると、
「試作品の納期はどのくらいでできるのか?」と言う質問が来た時には、
- 図面作成:2日
- 製作日程:1週間
で、マージン見ても計2週間くらいかな、と言うレベルの見積もりをする人がいますが、大体失敗しますね。
図面作成と言っても考えるべきことはもっと沢山あって、
- 自分が作図するのか?技術派遣さんにお願いするのか?
- 社内審査はすぐに通るのか?審査者は別の特急業務を対応していないのか?
- 承認者は不在じゃないか?
- そもそも設計検討や社内の事前DRを通さなくていいと言うオーサライズはできているのか?etc.
と、考慮すべきことは山ほどあって、これ次第で簡単に1〜2週間以上必要になったりします。
- 製作日程1週間についても、もう少しメッシュを細かくする必要があります。
- 図面をサプライアへ展開してから、サプライアで着手できるのはいつか?
- 内容が難しい場合、事前協議は必要じゃないのか?
- 製作がうまくいかなかった場合の日程なのか?それとも失敗込みの日程なのか?
- 受入検査や受け入れた後の組み立て日程を考慮しているか?etc.
2週間と言っても、メッシュを細かくした場合に、最短納期で考えているのか、マージンを見た納期なのかを明確にしていないと、ちょっとした遅れで納期が破綻してしまいます。
推定だとしてもこれらのことを考えて回答する必要があります。もしくはその場で回答できなくても、確認をした上で客先にメッシュを細かくして会話しないと、いつまでも期限を守れない設計者になってしまいます。
結果こう言う人は炎上ばかりしています。
正直、頭を使わずに適当に回答しているんだと思いますが、少し頭を使って一個ずつ日程を積み上げて考えれば、そこまで現実離れした日程にはならないと思いますので、ドキッとした方は今すぐ直しましょう!
わからないことがわからない
2つ目は、「わからないことがわからない」と認識できないタイプの人。
このタイプも大抵炎上するタイプだと言えますね。
例えば、「ハウジング形状を設計した時に熱に対する形状影響を考慮して設計していますか?」みたいな質問を受けた時に、「んー熱影響は考慮しています!」みたいな曖昧な回答するタイプって結構いるんですよ。
熱影響って具体的になんだよ!!ってツッコミが入れたくなります。
他にも熱の影響による固有値の低下なのか?熱膨張のことなのか?
熱膨張ならば、机上での公差計算なのか、それとも、CAEによる3Dモデルベースでの検討なのか?さらに言うとCAEは現実に対して、合わせ込みをしているのか?etc.
色々な疑問が飛び交うとは思いますが、ここで言いたいのは何ができて何ができないのかを知っておくことが大切と言うこと。
例えば、机上での公差計算しかやっていないのであれば、CAEはやればできるのか?できないならそれはCAEノウハウの問題なのか、リソースの問題なのかを理解しておく必要があります。
加えて、公差計算で考慮できるのは、単純な形状での熱膨張による変形なので、熱膨張を考慮する際に形状影響を反映できていない可能性が高いですね。
となると精度が低いんじゃないのか?と言う質問が必至なわけですが、ここに対しては最悪条件での試験で接触痕がないことを確認した、などの回答を用意するなどの準備をしておく必要があります。
設計上でわからない部分は必ずあるので、設計検討やCAE、実験でもわからない部分を理解しておく癖をつけないと炎上する設計者になってしまいます。
こちらは少し経験値が必要ですが、意識を変えようと努力することで、わからないことをわからないと認識ができるようになります。
以上、いつも炎上する設計者の2つの特徴を紹介しましたが、今もなお私の頭の中に浮かんでいる炎上する設計者は無計画な日程で残業時間を貪りながら社内リソースを奪ってくれています。
ぶっちゃけ、限界までリソースを割いても炎上が解決しないことから、当人たちの問題であることが露見しているわけですが、いまだに直らないんですよね・・・
温厚な会社なので厳しい人事は下らないとは思いますが、おそらくマネジメント能力が低いと認知されていますので、課長止まりでしょう。
何れにせよ、炎上は精神衛生上も良くないので、たった2つの特徴に該当しないように設計業務を推進していくことをオススメします。